ライフスタイル [ニュージーランド歯をくいしばってのんき暮らし]

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「作らなければ、無い」という幸せ

文&イラスト:Ryoko
2009年5月29日

 世の中と自分の中の時間の流れにギャップ感が強くなっていた二十代後半。いろいろすごく便利になっているのに、その分で生じているハズの余裕がどこかに消えうせて、かえって気持ちセカつくのは何故なのかしら。とか、なんですが。そこで「な~んとなくのんびりしていそうなイメージ」のニュージーランド(以下NZ)に呼ばれている気がして、たしかめに来たのが'98年。

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 10年前のNZのしかも人口四万人の都市、というよりは街という字がピッタリのサイズのネルソンは、もうとってものんびり。暮らし心地がとてもよくて、人も街もひいてはNZという国も大好きになったのですが、一つ困ったことが...。
 食べ物に執着のない英国文化圏のNZですし、NZバブルの前の10年前ですし、小さい街ですし...、美味しい中華がない。私は外食があまり好きではないのですが、おみやげ中華を家であたためて食べるのはこの上なく好き。でも○○屋の肉マン・あんマンも、○○亭のお持ち帰りのギョーザもないないない。なんにもない。という事でそれからというもの、私の台所は日本人の好きな中華、名付けて「ジャイニーズ料理」のラボと化し...。
 厳しい分析の結果、食い意地のはった私と夫は中華の中でも餃子や肉マン、担々麺など粉食が特に好き、という事が判明し、「なーんかよいレシピブックないかなぁ」と日本帰国の折、うろうろしていた本屋さんで面出しだったのが『ウー・ウェンの北京小麦粉料理』。さすが、レシピ本の老舗の高橋書店。材料や作り方の書き出し順も適切、写真も見たいウーさんの手元がバッチリ。そして、一つ一つの料理へのウーさんのコメントがなんともいえないバランス感で、ウーさんのお人柄がしのばれます。素晴らしいの一言に尽きる一冊。この本に出会ったのは忘れもしない第一子を生んだばかりの2002年の7月。以来作って作って作りまくり、今では本は表紙からページがはずれてバラバラです。その後はウーさんの新しい本が出たと言えば即購入の即料理。

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 その上、ウー・ウェンさんが多作なものですから、作る方も大変です。食べるのは簡単なのに...。お陰様で、夏になればMung Bean(緑豆)入りのお粥をたき、冬になればWhite Kidney Bean(白インゲン豆)入りのお粥をたき、ロービン(肉餅)を食べ、と、私は何人? ここはどこ? の世界です。が、今ではもう美味しい中華が食べたいのに~という困った感はほぼ解消しました。好きなものが、好きな時に、好きなだけ、好きな所で、好きな人と食べられたら...。これってとても幸せな事だなと思います。

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 次の課題はおいしい日本のラーメン(麺打ちとスープ作り)なのですが、リュウちゃんはこれじゃ食べられないねぇ...。

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