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吉野川源流の森伐採ツアーレポート(3)

文・写真:NPO法人里山の風景をつくる会

吉野川源流の森の木で家や家具をつくり、木の文化を蘇らせることを目的としている徳島のNPO、「里山の風景をつくる会」。2007年の秋に行われた源流の森伐採ツアーのレポートをご了解を得て転載させていただきます。森と街が川と木で繋がっている。一泊二日の旅に同行した子どもたちはどんな未来を想像しているのかな?

<<吉野川源流の森伐採ツアーレポート(1)

<<吉野川源流の森伐採ツアーレポート(2)

wood

空を飛んだキリンたちは、どこへ向かったのでしょうか・・・?

こたえは、ここ。  嶺北木材協同組合の原木市場です。
夕暮れの中、整然と並べられた大木たちが、わたしたちを迎えてくれました。

ここにあるのは、だいたいが80年生以上の木々たち。

それは さながら、時間の渦の中にいるようです。

wood

wood

見渡せど、見渡せど、 原木の山々。

大人たちは引き続き、真剣に、田岡さんの森についてのお話を聞きます。

子どもたちは、「こんな楽しいところ、じっとなんて していられない!」とばかりに、からだで木の感触を確かめます。

wood

とんとん、と踏みしめられるこの大木は、だいたい100年生。

「この木は 100歳だって」
「100歳って どれぐらい ・・・・・?」
「むずかしいー、わかんないよー」
「根っこの高さが、背といっしょ!」

子どもたちも、ちゃんと体で覚えられたみたいです。






susuki

tanada

翌朝。

山の朝は、静かです。

朝いちばんの風が、まだ少し残るすすきを揺らします。

すこしずつ 明るくなる空。

遠くには、棚田の風景。

透明な空気には、そろそろ山の向こうから顔を出す朝日の色が溶けているみたい。

kiichigo

kiichigo

「きいちご、摘んだよ?」

「ちょっと すっぱーい」
「すっぱいー。でも、おいしいねー」






hazakaplanttosa

もくもくもく・・・ ゾロゾロゾロ。

元気にバンガローを出発した一行は、なにやら不思議な場所を歩いています。
ここは、いったい・・・?

hazakaplanttosa

看板に「ハザカプラント土佐」と書いてあるのが見えますか?
そう!ここは土佐町の有機ゴミを、微生物の醗酵力を使って分解する究極のエコゴミ処理場なのです。

最初の写真のもくもくは、醗酵の際に生じた熱の湯気。
生ゴミはベルトコンベアに乗ってゆっくりと運ばれる内に、微生物によって分解され、最後にはサラサラの有機たい肥になるというしくみの工場です。

explanation

微生物の力だけでこんなにたくさんのゴミが処理できるのか・・・! と驚く一行に、工場の方は、

「ここだけで、火力に頼らないで土佐町のゴミ全てが処理できるのです。自然を壊さないゴミ処理場をもっと全国の自治体に増やしていきたい」

と、ゴミ処理の現場から見た地球の環境について、教えてくださいました。

tanada

土佐町は棚田の風景が美しいところです。

でもこの景色は、森やゴミ処理の現場から支えてくれる人がいるからあるものなのですね。






factory

棚田の空気と共に、つづいて嶺北木材の工場にやってまいりました。

手で墨付けを行い、加工します。

taokasan

工場を説明する田岡さん。 子どもだって真剣に聞きます。

explanation

田岡さんは、言います。

-- 皆さん、日本の一年間で消費する木材の量(建築から紙までもを含む)は全部でどれくらいだと思いますか?

  答えは、日本の森林が1年間成長する分なのです。

  つまり、これは日本が外国に頼らないで、自国の森の木だけでまかなえるということ。自給自足ができるということなのです。

  だけど、日本は外国の森を食べつくすようにしている。

  もう今までのやり方ではいけない。変えなければいけないのです。

国土の約67%が森林である日本の、そのうち一体何%が加工できる木を持つ森となっているのでしょう。手入れされた森は、80年以上二酸化炭素を貯蔵するタンクとなり、その木を使って街に建てられた建物も、同じようにCO2をストックするタンクとなります。

では、手入れされていない森は・・・?

日照が悪く、木の育たない森は、それだけで二酸化炭素排出の元につながります。

wood

自分たちが思っていた以上に、森のサイクルの重要性と厳しい現状を感じる旅。
おがくずで楽しく遊ぶ子どもたちを見守る大人は、この子たちが大きくなったときに、地球の環境が改善に向かい、今日のこの旅をたのしく思い出してくれるだろうか、と、感じたのではないでしょうか。


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源流木's(ゲンリュウキッズ)
今回のツアーで訪れた高知県嶺北の間伐材で作った、子どもも大人も喜ぶ積み木です。

源流ボックス 源流杉のプランター 
CDたて

源流家具
今回のツアーで訪れた高知県嶺北の間伐材で作った、家具シリーズです。

NPO法人 里山の風景をつくる会
〒770-8055
徳島市山城町東浜傍示28-53
TEL:088-655-1616
FAX:088-655-1632
http://enjoy-satoyama.jp/

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