ライフスタイル [ネイチャーフォトグラファーへの道]
ネイチャーフォトグラファーへの道 五歩目

文&写真:リュウ・タカハシ
2009年8月6日
■ 四歩目までのあらすじ ■
天の啓示を受け、なぜかネイチャーフォトグラファーを目指すことになってしもぉた拙者。とりあえず雑誌の「一週間で風景写真が見違える」という特集を参考に修行を積むことに。第一日目の課題「あなたの写真を分析しなさい」を読み、さっそく昔の写真を引っ張り出してみるも、見るも無惨な分析結果に砕け散りがちであった。
■ 確認はこまめに ■
愛用のCanon EOS Kiss Digital Nに入れてたメモリーは0.5GBぽっきりだったので、3年以上JPEG画像一本槍。必要に迫られて死ぬ気で4GBメモリーを購入し、ようやくRAWデビューしたのが今年初め。
RAW画像:
画像素子がとらえた生データ。JPEG画像に変換の後出力されるのが一般的だが、一眼レフはもとより、高級コンパクトデジカメにもRAW画像のまま出力できるものがある。
修正の許容範囲が広いのが利点だが、かさばるのが欠点。たとえば10MPのカメラの場合、RAW画像はだいたい10MB、高画質JPEG画像は3MB少々というのが相場。
というわけで半年ほど前にRAW画像現像用ソフトDigital Photo Professional(DPP)をインストールしたのだが、最新号の雑誌を読んでると、「はて、これは異な事を申す、DPPで白黒変換などできぬはずだが......」
むっ! ひょっとしてっ!
あっ! やっぱり......。
拙者、ビンボでショボイだけじゃなく、ソコツでウカツの四重苦であった......。
愛機は四年前に購入、つまり付属ソフトも四年以上前のもの。我がDPPはVer1.4、キヤノンDLサイトの最新版はVer3.6......。気づくの遅ぇって。
さっそくDLしてみる。ゲゲェ、ワシハ半年以上モ何ヲヤッテオッタノヂャ~ッ!というくらい進化してて、落ち込んだ。前回の写真も、古いので現像してた......。
教訓:ソフトウェアのアップデート確認はこまめに。
■ 二日目の課題は ■
ともかくそんなわけで、初日の課題は卒業(したことにする)。尊敬するデザイナー、エドナ・モードだって、「過去は振り返らないの、今が見えなくなるから」とおっしゃっていた。
例の教科書、『Practical Photography』をば取り出して、二日目の課題をチェック。
ふむ、「Get intimate with your camera」、カメラと仲良しになろう、か。もっともなり。道具を知らずして、ちゃんとした結果を出すのはチト厳しい。
が、ここにカメラのお勉強のことをいちいち書くのもなんなので、割愛。
■ さて、三日目の課題は ■
三日目の課題は「Frame it better」。よっしゃぁ、フレーミングのノウハウだ、そうこなくっちゃ。
ルール・オブ・サーズ、例の三分割法。
拙者の写真もほとんど失格だったが、過去は振り返らない。
フォアグラウンド・インタレストは、近景に面白いものを配置ってこと。目的は第一に視線を主役に誘導するため、第二に写真に奥行を出すため。
このセオリーは最近知ったばかりなので、古い写真は論外。最近は意識してるが、前回ご覧いただいた通り、ぜんぜん上手くいかない。
フォーカル・ポイントは主役。三分割法にのっとってフレーミングするのがセオリー。
そういえば自分でも主役が何だったのか思い出せない写真があったが、過去は(以下同文)。
スケールは、スケール感を出すためには比較対象物が必要という話。
リードイン・ラインズ。主役に向かう線が写ってれば、スムーズに視線を誘導できる。
拙者の写真、横の線ばかり多くて動きがとぼしい。生真面目な性格が災いしているのだろうか? うん、きっとそうだ、そうに違いない。
課題:羽目を外すこと。
右下のまとめに、「風景写真を撮るとき、これらのセオリーをなるべく多く使ってみよう」って書いてある。
絵を描くならなんとでもなるだろうが、動き回って全セオリーを使えるアングル探せってぇの!? んなムチャな......。
っていってても始まらぬ。要するに、
- 手前に誘導線を兼ねた面白いものを写しこみ、
- 主役は三分割交点に配し、
- スケール感を出す脇役も忘れるな
っつーことだな。よぉし、やったろーじゃないの。打倒アンセル、がんば、ふぁいと。
■ ではロケハン ■
教科書の中の海の写真、この辺なら似たようなのが撮れるかも。あいにくの天候だが構うものか、下見、ロケハンっていうことで、とにかくいざ出陣!
撮影日:2009年5月29日(金)
場 所:スティーブンズベイ
ご覧の通りの曇天だから気合い入れずに撮ったのだが、それでも最新版のDPPで現像するとまぁまぁ見られる写真になってプチ驚いた。
しかし、これじゃちょっと手前のボートが目立ちすぎだろうか。主役はボートじゃなくて、風景のはずなんだが......。
もうチビッと地味な近景はないかな、と。
撮影日:2009年5月29日(金)
場 所:スティーブンズベイ
お、これは課題の作例に近い!
しかし似た構図になると、逆にこっちの下手くそさがバレバレ。作例は近景のカッコ良い岩が波に洗われてて、しかもスローシャッターで波をぼかして絹のようにしてあるんだからニクい。くそ、アンセルに挑戦する前に、雑誌に負けたか。
あ、あそこも面白そうぢゃ、一枚撮っとこ。
撮影日:2009年5月29日(金)場 所:スティーブンズベイ
う~ん、どうもビシッとは決まらんが、光と潮の具合が良いタイミングに再訪すれば、なんか面白いのが撮れそうな気配。
ついでに恒例の白黒もやってみよ。
撮影日:2009年5月29日(金)
場 所:スティーブンズベイ
あ、曇り空が面白い質感になって、ボートとの対比が思ったより面白い写真になった!
って、偶然の結果にぬか喜びしてたんじゃイカンのだ。こういう光のときはこんな風な白黒写真になるってのを、キチンと現場で計算して撮れるようにならないと......。修行だ、修行。
■ ついでに ■
撮影日:2009年5月29日(金)
場 所:カイテリテリ
すぐ近くだから、ついでにカイテリテリにも回ってみた。
作例のような岩はいくつか転がってるが、どうも構図が決まらない。やっぱり通い倒すしかない。
撮影日:2009年5月29日(金)
場 所:マラハウ
さらにマラハウにもよってみた。エイベルタズマン国立公園の入り口の村だから、ここでも海を撮ってもよかったのだが、時間的にビーチは広大な砂漠と化してて、良い構図を探すのが困難なのは明らか。そこでちょいと意表を突いてみた。マラハウでわざわざ川を撮るヤツって、珍しいだろう、ワハハ。
実はここ、冬の朝に霧が立ちこめることが多いのである。霧が出てないときにアプローチを確認という腹だ。拙者ってばカシコイッ!
しかし、ここで決定的な失敗が表面化した。
いくら近所で写真を撮るだけとはいえ、元プロフェッショナルのアウトドアズマンがこんな格好でフィールドに出るか、オイ!?
まず無帽ってのが無謀だ。ニュージーランドは紫外線が強いんだから、ちゃんとフリルネックU.T.E.かぶれよ、まったく......。晩秋の曇った日だって、日本の真夏よりきついんだから。
龍のスカジャンにジーンズってのもどうよ......。いや、別に冬山登ろうってんじゃないんだから、このカッコがダメってこたぁないだろうけど、それにしてもなぁ。まぁいいけど。
ん? 齢を考えろ? いや、それは別に問題ないんじゃないかと。ある? あります? あ、そうですか。スミマセン。
スカジャンよりジーンズより何より、決定的にダメダメダメェ~ッなのが、足元だ、足元ッ! アウトドアに出るときに足元おろそかでどうするんだっつーの、タワケモノッ!!
いっそのこと裸足とかビーサンならまだましなんだが(なんせ裸足でトレッキングできるくらいに足の裏は鍛えてある)、下手にレッドウィングのワークブーツなんぞを履いてきてるってのが論外だ。
実はスティーブンズベイやカイテリテリで甘っちょろい構図の写真しか撮れていないのは、水に入れない靴を履いていたからだ。教科書のような波に洗われてる岩だってあったんだ、実は。でも撮れるアングルに立ちこめなかったのである、情けないことに。
そして最後のマラハウは、決定的。アプローチが湿地で、まともに歩けやしない。
引退してたった一年だというのに、これほどアウトドア勘が鈍ってるとは......。写真が下手とかなんとか以前に、これはいささか問題である。
まぁいい、これも含めて勉強だ、ロケハンにでた甲斐があったというものだ。
さて、明日は早起きして夜明け頃に再訪してみるとしよう。霧が出るといいのだが。
とはいえ、もう一つ大きな問題が立ちはだかっているのである。それは......(続く)。
■ 参考文献 ■
- 『Practical Photography』 September 2007, PP.80-83
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