コラム [編集長「泡盛談義」シリーズ]

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第1回 豊島のワインバーオーナー 栗生みどりさん

高松市内に住む栗生さんは、優しいだんな様と利発な小学生の息子さんとの三人暮らし。そんな栗生さんが、ある時から豊島に魅せられて、ついに豊島にワインバーを開店してしまいました。その経緯や、栗生さんの目からの豊島時間を語ってもらいました。

栗生さん

森田(以下--) 今日は突然のご依頼なのにありがとうございます。先日お邪魔した豊島の栗生さんのお店の雰囲気があまりに素敵だったので、熱の冷めないうちにと思いまして。

栗生 いえいえ、大丈夫ですよ。こっちこそありがとうございました。気に入ってもらえたようで光栄です。

-- まずは、泡盛談義ですので、乾杯しましょう。カンパーイ!

栗生 カンパーイ!

乾杯

-- 豊島って昔から近い存在だったんですか?

栗生 テレビで産廃のニュースを聞く程度の遠い存在でしたね。島の中でも女木島には子どもの頃に観光に行ってましたし、ウィンドサーフィンが趣味だったので直島には度々訪れてました。直島は、もうベネッセが入っていたので、そのホスピタリティにはいろいろ感動しました。直島からなら、ほんと目の前の島なのに、豊島には興味なかったですよね。

-- じゃぁ、最初の訪問は?

栗生 2007年にシブヤ大学のツーリズムの下見で行ったのが最初です。いくつか島を選べたんだけど、行ったことがない島にしようと思って。高速艇で港に着いたときは、ほんと何も無い島だなぁ!という印象でした。けど、そこに砂川さんが仏様のように桟橋に立っていたんですよ。

砂川三男さん
産業廃棄物豊島住民会議元議長
香川県生まれ。
1975年の豊島産業廃棄物不法投棄事件勃発時より島民の先頭に立って長年行政の厚い壁と戦い抜き、最終合意に導いた長老の一人。産廃問題の最後の糸口を暗中で掴むために、「無謀だ」といわれた県議選に、命がけで石井とおる氏を擁立した勝手連の首謀メンバーでもある。現在も、一人でも多くの人に豊島のことを知ってもらおうと「枕から頭が離れている間はみんなの役に立ちたい」と産廃見学ツアーのガイドを献身的に引き受ける。島の生き仏。今年81歳。

栗生 砂川さんに案内されて、産廃場やこころの資料館を周りました。苦労した住民の方々の話を聞いてると、自然に涙がボロボロ・・・。それで砂川さんに、グッとハートを掴まれて今に至っているわけです(笑)。

-- では、豊島の魅力というのは、栗生さんにとっては、まずは砂川さんだったわけですか?

栗生 そうです。砂川さんをはじめとする島の人たちですね。特におじいちゃんたち。島の自然や歴史の魅力は砂川さんたちのところに通い始めた後で気付いた感じですねぇ。

栗生さんは、2009年の4月、豊島の代表的な港、家浦の集落にHITAKIという名のワインバーをオープンした。ポリネシアの女神様の名前からもらったと言うそのお店は、高速船を下りたら30秒の漁港を望む静かなところ。島に訪れる人を待っている。

豊島の海

栗生 私は自分が昼間っから堂々とワインを飲める場所が欲しかっただけなんですよ(笑)。できれば海辺で。高松や丸亀であちこち探したんですけど、ゆったり落ち着けるお店がなくって、じゃあ自分で作っちゃえと。ブログで物件探してるって書きまくってたんです。けど、なかなか高松では見つからない。なんせ予算2万円でしたからねぇ。

-- 舐めてますね(笑)。

栗生 そこで発想変えてみたんです。高松はあちこちの島に短時間で行けるので、お店自体を島にオープンさせたらいいじゃんと。30分ぐらいで行ける島の候補物件はいくつか出てきたんですけど、これはもう砂川さんのいる豊島しかないと。通う費用は週二回で月に2万円ほどかかるんですけど、高松でぶらぶらしていたらガソリン代でけっこうかかっちゃいますからね。それに比べたら有意義です。

-- 客足はどうなんですか?僕が行ったときは他に二組いらっしゃいましたが。

栗生 誰もお客さん来なくて寂しい日もありますよ(笑)。けど、窓から海を見ながら好きな本を読んでワインを飲んでると、こんな贅沢ないよなぁと嬉しさがこみ上げてきます。後悔してません。最近は、島の人たちも来てくれるようになっています。エールを送ってくれている感じですね。もう島中の人が知ってますから(笑)。

-- あらためて、栗生さんから見た豊島の魅力ってなんでしょう?

栗生 島が好きな人には共通する感想かもしれないけど、光の入り方が違うんですよ。物音も違う。風も違う。香りも違う。

-- 何もかも違うんですね(笑)。

栗生 そうそう(笑)。それとやっぱり人です。すれ違う人が、歩いてても車を運転しててもみんな会釈をしてくれます。全体に無防備な感じ。懐かしさを感じます。お店のことに関してもいろいろ「大丈夫?」「ここはこうしたら?」とアドバイスをくれるんです。もうほんとおせっかい。それがすごーく、居心地のいいおせっかいなんですよ。 心地いいおせっかいの上に浮かんでるみたいです、わたし。

同じように豊島で暮らしたりお店を出したいと言う方がいたら、なんでも協力しますよ!と栗生さん。これからも小さなお店を舞台に、僕たちが感じる島の魅力が増幅されていきそうです。

HITAKI

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