インプレッション [クラフト]
プラリペア
文&写真:リュウ・タカハシ
2011年10月7日
Viva New Zealand「オモチャの図書館」に書いたように妻Ryokoはトイライブラリーのコミッティー委員をやってるが、委員会がゴタゴタもめて大変なのはどこも似たようなものらしく、ミーティングから帰ってくるたびにうんざりしている。
そんなとき彼女は、フラストレーションをぶつけるために壊れたオモチャを持ち帰ってくることが多いようだ。丑三つ時になると目を血走らせつつ壊れたオモチャとでっかいハンマーを抱いて庭のすみにに出て行き、ってのはウソで、クラフト好きな彼女はオモチャを修理して心を静めようと思っているらしい。
(僕はホンモノの図書館で、子供が壊したオモチャを仕事として修理してるので、そんな彼女をみて「ごくろーなこった」と思っているわけだが。)
ところが近年のオモチャってのは、ほとんどがプラスティック製。ちょっとやそっとの接着剤ではくっつかないし、くっついても子供の酷使に耐えられず、すぐまた壊れる。それでも日本ならホームセンターに行けば超強力なのが手に入るが、ニュージーランド(NZ)の辺境ではなかなかそうもいかない。あきらめざるをえないオモチャが山のように......。
大量生産、大量消費の時代は過去のものにしたいのは山々なのに、まだまだ立派に使えそうなオモチャがどんどんゴミになってしまうのは、何とかならないものか......。
ところがある日、彼女がネットでこんなページを発見。
このページの動画を片っ端から見て感動した彼女、極めてめずらしいことに速攻でポチリ!
数日後日本から届いた小さなパッケージを開け、今まで手のほどこし様のなかったオモチャのリペアに挑戦。
まさかちゃんとくっつくと思わなかったので、リペア前の写真を撮っていなかったのが大失敗。
分かりにくいかもしれないが、このソフトプラスティック製の馬の尻尾は根本からむしり取られていたのだが(どうやったらそんな壊れ方するんだよ!>Motuekaのガキども)、見事にくっついてしまっている。瞬間接着剤だと間違いなくすぐにとれちゃうが、プラリペアは引っ張って尻尾もって振り回してもビクともしない。これはスゴイ!
ちなみに硬化までは5分くらいなので、準備を始めてから10分ほどで使用に耐える強度になってしまう。ますますスゴイ!!
これもリペア前の写真がないのだが、トラックとトレーラーの接合部の爪状部品の片側が折れちゃってたので、付属の「型取りくん」を使って無事な反対側の爪を型取りしてから、爪をプラリペアで再生(詳しいやり方は、上記公式サイトの一番下の動画ご参照のこと)。
これはもうちょっと手間がかかるが、それでも20分ほどで終わったようだ。手前側の透明なとこがプラリペア。初挑戦の素人仕事とは思えない見事な仕上がり。腕も良いのかもしれないが(と言っておかないと、丑三つ時が怖い)、それ以上にプラリペアと型取りくんのコンビネーションはめちゃくちゃ強力。
でも問題は、使用に耐えるかどうか。ご存じの通り、こういうのははめ込んだり外したりするときに、ものすごい力がかかる。さらに子供はムリにこじる。だからすぐに壊れる。
プラリペア、はたしてどうだろうか? 強度だけじゃダメで、柔軟性もなきゃすぐに割れてしまうだろうし、接着が弱けりゃ接合部がはがれるはず。さすがにこれはムリだろと思いつつ......。
カチリッ!
げっ、難なくはまった! ウソみたい! お見事!
この写真だと元の黄色い部分とプラリペアの透明部分の境界がハッキリと見えてるが、これがはがれもせず、折れもせず、何度つけたりはずしたりしてもビクともしない強度なんだからおそれいる。
接着強度だけなら、エポキシ接着剤とか他にも強力なのあるけど、整形までできるとなるともう話が別次元。塗装したら修理したことさえ分からなくなっちゃうぞ、これ。素人が20分で修理したなんて、誰が信じられる? これは、ホンットにスゴイ、スゴすぎる!!!
公式サイトからのリンクを見ると、単車のカウルを修理してたりして、強度は想像をはるかに上回るようだし、お手軽さもRyokoが実証済み。これは一家の工具箱に一つの神アイテムではないだろうか。
ちなみにRyoko、これらの作業中に針を詰まらせてしまい、穴を再生するのに爪ヤスリと彫刻刀で苦労していたので、お使いの際はくれぐれもご注意を!
【追記】(同日)
元々は模型好きの歯医者さんが仕事用の樹脂を趣味に応用したのがはじまりだったらしいと教わった。それで思い出したのだが、プラリペアのもう一つすごいところは、無毒だから台所用品や食器の修理にも使えるということ。死角はないのか!?
武藤商事 プラリペア PL16PL16 クリアー 1セット |
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