インプレッション [ギア]
速撃ちカメラバッグ
「ネイチャーフォトグラファーへの道」などという連載で「打倒アンセル・アダムズ」などとふざけたことをいっているくせに、実はカメラバッグ一つ持っていなかった。我ながらふざけるにもほどがあるとあきれて開いた口がふさがらない。
が、それも過去の話だ、口はふさがった。ついに手に入れたバッグがなかなかの優れものなので、さっそくご紹介しよう。
ロープロ・スリングショット100AWだ。僕が買ったのはスリングショット・シリーズ中最小のモデルで小型一眼レフ向きだが、200AW、300AW、350AWともっと大きなラインナップも揃っている。
スリングショット・シリーズは実ご覧の通りバックパック型だが、たすき掛け式なのが特徴。欠点はいうまでもなく片方の肩にすべての重量がかかること。では長所はなんだかご存じだろうか? たすき掛けなら、肩からベルトを外さずにバッグをお腹にクルリと回すことができるのだ。
両肩にかける普通のバックパックは、カメラを取り出すのにどうしても手間がかかる。かといって普通のショルダーバッグは、足場の悪い野外で使うにはどうも具合が悪いことが多い。僕自身、今まではこの二つのタイプをカメラバッグ代わりに使ってきたので、どちらも帯に短したすきに長しということは身にしみている。
たすき掛け式ワンショルダー・バックパックってのは、本当に良いアイディアだ。ベルトもパッドもフィット感の良いデザインになっているので、片方の肩だけに重量が食い込んでくるという感じはあまりない。またフィット感を高めるための補助ハーネスベルトも着いているので、かなり激しい動きをしても大丈夫。このあたりはさすが登山バックパックの老舗ローアルパインの姉妹ブランドだけのことはある。
驚くのはまだ早い。このバッグは横腹が開く。何も知らずに手に取ると奇をてらったデザインとしか思えないが、もちろんこれもカメラを素速く取り出すための工夫。要するにバッグをお腹に回したときに上になる部分が開くようになっているわけだ。必然の産んだデザインである。このとき大きく開きすぎて予備レンズなどがこぼれないようにストッパーがついているところなど、さすがに芸が細かい。
もちろん肩から下ろしたときは、右の写真のようにストッパーを外してガバッと開けることもできる。
これだけでも僕は手放しで満点をあげたいところだが、レインカバーまでついているんだからおそれいる。このレインカバーは本体下部に縫い止めてあるので、紛失する気づかいもゼロ。
不満点を一つだけあげるとすれば、三脚を取り付けにくいということ。いちおうそれらしき装備はあることはあるのだが(最初の写真のグレーの部分についてるダークグレーの四角いパッチ)、このままでは小型一脚くらいしかつかない。三脚をちゃんととりつけようとしたら、ちょっと工夫が必要だ。まぁ僕の場合はアウトドアでおまんま頂いてた人種なので、それくらいの工夫は何でもないのだが、でもちょっとだけ残念かも。
実はコイツを購入した直後に、愛読している英国の写真雑誌の広告で102AW、202AW、302AWという後継機種を見つけたんだが、これらの02モデルはその辺が少し改良してあるようだ。とはいえ102AWはやっぱり三脚ではなくて一脚を想定してあるらしいけど。
先日とある記事に「カメラが取り出しにくかったら、写真を撮らなくなってしまうだろう。でも、毎日持ち歩いてサッと取り出せられれば、写真を撮ること自体がどんどん楽しくなる。」という文を見つけて、まったくだとうなずいていた直後に出会ったのがこのバッグだが、まさにこの言葉通り一眼レフを気軽に持ち歩けるようになった。
さて、これでヘタクソ写真の言い訳が一つ減ったことになるな。がんばって修行しよう。
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