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ガイドの一般教養講座 研究発表vol.29:リーダーシップのアイディア

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文:リュウ・タカハシ
イラスト:Ryoko
2011年7月24日



■ 冬休み ■

 こんにちは、ガイディング研究所へようこそ。研究員のリュウです。

 ただいまこっちは冬休みです。子供たちは風邪気味で、家の中で退屈してます。
 せっかくなので雪遊びに連れて行ってやろうかと思ってるんですが、そしたら今度は僕が風邪ひいたり、不自由な脚で大丈夫だか不安になったりして、この案もちょいと微妙......。

 ところで、膝のお皿に埋め込んである金属の除去手術、僕と家人のニュージーランド移民13周年記念日にとりおこなわれることになりました。面白い記念日になりそうで、楽しみです。



■ リーダーシップ、グループマネジメント ■

 危機管理講座が続きましたので、今回はちょいと気分を変えることにしました。

 ガイドはグループのリーダー役ですから、グループマネジメント技術、つまりリーダーシップがすごく必要です。
 ところがどっこい、天性のリーダーシップを持ってる人なんてめったにいません。ほとんどのガイドがリーダーシップ能力、グループマネジメント技術で悩んでるんじゃないでしょうか。

 何をかくそう僕もリーダーシップは母親のお腹の中に置き忘れてきたクチでして、通信簿の汚点は決まって「協調性」でした。現役ガイド時代に、オペレーションマネージャー昇進の打診もありましたが、かたくなに断りました。キウィ(ニュージーランド人)の荒くれアウトドアガイド30人以上の面倒みるなんて悪夢です。あのオーナー、人を見る目がなかったなぁ(笑)

 でもガイド業がつとまらないかっていうと、そうでもないんですね。僕の場合、リーダーシップが弱点だって自覚のもと、グループマネジメントの上手な同僚(先輩、同輩、後輩を問わず)の仕事ぶりを盗んで片っ端からマネしたんですが、けっこうなんとかなっちゃいました。
 というわけで、今回は僕が実践してたのをいくつかご紹介します。



■ 信頼感 - 態度 ■

 18年の歳月と800万ドルの費用をかけて(誇大広告)先輩たちの仕事ぶりを研究した結果、アウトドアガイドのグループマネジメントの最初のステップは、「第一印象」だと結論づけました。朝一番に「こんなヤツに命あずけて大丈夫かいな......」と思われると、グループをまとめられるはずありません。アイスブレイクが最初の勝負です。

 ここで早くも弱気になってる方に。
 話はちょいと飛びますが、最低最悪とこき下ろされる内閣も、組閣時には前内閣より支持率が高いのが普通。期待感のなせるわざです。
 ツアーだって同じです。期待感があるからこそ、お金払って参加してくださってんです。ですからヘマして信頼感を裏切らなきゃいいんです。そう考えると、ちょっと楽になりますよ。

 さてさて。
 まず大切なのは態度。「まだヒヨッコです、自信ありません」って顔してたら、大減点まちがいなし。僕も目線をさけるクセがあるので、新人時代は特に努力して「相手に目線をすえ、笑みをたやさない余裕たっぷりのベテラン面」を演技してました。

 日本では、「まだまだ未熟者でして」っていう謙譲の美徳がよしとされますが、アウトドアガイドに関しては御法度です。
 個人的にも、アウトドアガイドと外科医だけは、おどおどした新人さんには担当してもらいたくないっすねぇ。初々しい新人が好ましい職業といえば、なんといっても(以下自粛)。

 だからって、やりすぎて「えらそうなヤツだ」と思われちゃカスタマーケア面で減点ですから、サジ加減には要注意ですが。



■ 信頼感 - 名前を覚える ■

 研究発表vol.17:アイスブレイクでご紹介した「(2)名前を覚える」は、グループマネジメント技術としても有効です。全員の名前を一発で覚えてみせると「こりゃすげぇガイドだ!」って、お客様の見る目が一瞬で変わるんです。ウソみたいですがホント。有効活用しない手はありません。
 名前覚えが速いからってガイディングが巧いとは限らないんですけどね(笑)



■ 信頼感 - 行程説明 ■

 早い段階で、地図を使ってツアー行程と時間割を説明します。ワケ分かんないまま引っ張り回されるのは、誰だって不安ですから。
 ただし下手にやると逆効果。ちょっとしたコツがあるんです。

 地図を見せながら
「このあとパドリング講習、安全講習をやって、9時45分にこのビーチから出発です。
 11時にAビーチに上陸してで20分間モーニングティー、ジュースとクッキーをお出しします。
 11時20分に再出発し、この島の外側を漕いでオットセイを見て、このBビーチで13時から1時間のランチ休憩です。
 14時に出艇して、帰りは14時半にこのC岬からセーリング、ここには16時15分に帰着予定です。」
なんてやる新人ガイドがけっこういました(ちょっと誇張してますが)。

 何も説明しないで「オレに黙ってついてくりゃいいんだ」的なツアーをやるよりはずっとマシとはいえ(参照:研究発表vol.16:アウトドアガイドって? その3)、これって典型的なダメパターンです。アウトドアツアーで分刻みの予定がちゃんと消化できるはずありません。予定変更のたびに少しずつ信頼感を失うのがオチ。

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 僕だったらたとえばこんな感じでやります。
「このあとパドリング講習、安全講習やって、だいたい10時前くらいにこのビーチから出艇します。
 1時間くらい漕いだら、この辺りで適当なビーチ見つけてちょっと休憩しましょう。
 で、また1時間半か2時間くらい漕いで、この辺りのどっかきれいなビーチでのんびりランチです。トイレもありますから、女性でも大丈夫ですよ。どのビーチにするかは、混み具合とか皆さんの体力とか天候とかを見極めながら、現場で決めましょうね。
 ここに戻ってくるのは16時頃です。バスは17時発ですからシャワー浴びる時間もたっぷりありますからね。」

 おおざっぱな説明でも、安心感はじゅうぶん提供できます。
 また、アウトドアツアーは不測の事態が多いので、現場で状況判断しながら予定を修正しながら催行することを明言しておけば、ツアー中に信頼感が目減りするおそれが少なくなります(お客様の危機管理意識が高ければ、信頼感がアップするかもしれません)。



■ 信頼感 - 安全指示 ■

 にこやかに優しくソフトに接客するのが基本中の基本ですが、「危険防止のための安全指示には必ず従ってください」ってときは、毅然とした態度が必要です。
 怖い声出す必要はまったくありませんけど、シリアスな面をチラッと見せて、「このガイドは締めるところはちゃんと締めるんだな」っていう印象を残しておきたいんです。ツアーの最初にこれをやり忘れ、一日中ひたすらソフトに対応していたら、肝心なときに押さえがきかなくなってしまうことがあります。

 こういう風に声音を使い分けることをニュージーランドでは「ダブルボイス」と呼び、ガイディング技術の中でもかなり重要な技術と位置づけています。



■ 一体感 ■

 グループマネジメントなんていうと、「管理される側」のお客様にとってはマイナスイメージがありますよね。確かに禁止事項てんこ盛り、自由制限しまくりの息苦しいのは、イヤなもんです。お金払って遊びに来てたらなおさら。

 でも上手なグループマネジメントは、そうとも限らないんですよ。初対面の寄せ集めなのに、みんなの息がすごくあって盛り上がってたら、忘れがたいツアーになると思いませんか?

 ってなわけで、「一人一人のお客様を管理する」ってんじゃなくて、「グループ全体の一体感を盛り上げる」ようなマネジメントを心がけるといいんじゃないかと思います。
 研究発表vol.17:アイスブレイクの中で「グループ全体のアイスブレイク」についても書きましたが、実はグループマネジメント技術の伏線でもあったわけです、エッヘン。
 え? そんなこと覚えてない? 張っておいた伏線を忘れられるくらいツライ話もないんですけど......。

 ま、それはさておき。
 僕が使ってた呼びかけ方も、その一例。
 同僚ガイドたちの圧倒的多数が、グループに呼びかけるときは「Hey, guys!」っていってました。僕はもう少していねいに「Hey, everyone!」って呼んでたんですが、あるとき誰かが「Hey, team!」っていってるのを聞いて、僕も「Team!」に変えました。
 「チーム」って、いいじゃないですか。初対面の急ごしらえチームですが、でもやっぱり一体感のある言葉だと思います。

 些細な違いなので、どれだけ効果の差がでるのかは分かりません。また、これを日本語のガイディングにどう応用すればいいのか、今はちょっと思いつきません。
 でもこんな風に「一体感」に気を配っていろいろ工夫すれば、積み重ねがきっと成果に結びつくと思います。

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■ ツアー中 - 早い段階で一度手綱を締める ■

 いよいよツアー出発です。海に出たら、僕はすぐに全員を集めて、もう一度簡単な安全確認をします。たとえば、

  • 僕の口笛が聞こえる範囲内にいること
  • 衝突は危険なので、ぶつかりそうになったらたがいに大声で注意を促すこと
  • 水面下の岩などの危険物を発見したら、他人に大声でしらせること

などです。
 ただしあまりクドクドやりません。軽くカジュアルに手短に。「締めるとこは締める」っていうのを理解してもらうための儀式のようなものです。

 そして漕ぎはじめたら、なるべく早いタイミングで一艇のカヤックに
「ちょっと遠いっすょ、もうちょっと近くにいていただけますか?」
と声をかけます。常に目を光っていることを体感してもらうのが目的で、制止された艇はいわば生け贄です。
 これを早めにやっておくかどうかで、イザというときに大きな差が出てきます。いわば危機管理の「対処ステージ」のための布石です。



■ ツアー中 - 安全なら手綱をゆるめる ■

 ずっと締めっぱなしだと息がつまります。なるべく早くゆるめましょう。

 たとえば静かな小さな湾の入り口あたりで、全員に目が届く位置に陣取り、
「この湾は安全ですし、すごくキレイです。皆さんもずいぶんお上手になってますから、ここは10分ほど自由行動にしましょう。僕がここで見てますから、口笛聞こえない距離でも大丈夫です。」
ってな風に。

 一度締められてから「上手になったから自由度アップ」ってゆるめてもらうと、最初から野放しより満足度が大きくなるもんです。カスタマーケア的にもグループマネジメント的にも有効な手です。



■ ツアー中 - 顧客に決定権を与える ■

 ここまでは、NZだったらたいていのガイドがやってるはずのことです。実際これくらいやっておけば、不測の事態になってもちゃんとグループをまとめることができるはずです。

 でも僕にはもう一つ、「自分のスタイル」として意識して使っていた手法があります。お客様に決定権を与える、ってのがそれです。

 たとえば、
 「さて、そろそろお昼にしましょうか。
 選択肢が二つあります。
 あそこの小さなビーチならここから1分で、僕らのグループだけで貸し切りです。でもトイレがありません。
 もう一つは、次の岬を回ったとこにあるもう少し大きなビーチ、所要時間は3分。トイレはありますが、おそらく他のグループとシェアすることになると思います。
 どっちにします?」
ってな具合。

 すぐにランチにするか、それとももうちょっと漕ぐか?
 少し遠回りで波風も少し荒いけどオットセイの見られるルートがいいか、それともおだやかで近道だけど動物のいないルートを行くか?
 陸沿いに漕ぐか、最短距離をつっきるか?
 昼食後に軽いトレッキングに行くか、それともビーチにとどまってのんびりするか?
 すぐご飯にする、それともお風呂が先?
 ガイドって、ツアー中にいくつも選択します。自分で勝手にどんどん決めちゃった方がもちろん手っ取り早いんですけど、僕の場合はなるべくお客様に選んでいただくようにしてました。

 リーダーシップやグループマネジメントの話で、「顧客に決定権を与える」っていうと、逆じゃないの?と思うかもしれませんが、実際にはガイドの信頼感がむしろアップして、いざというときの
「ここはちょっと危険度が高いので、僕の判断・決定に従ってください。」
という一言の重みが増すと感じてます。

 先の行程説明にしろこの決定権にしろ、僕は「お客様に積極的に情報を開示」することを心がけてました。大げさな言葉を使えば、インフォームド・コンセントですかね(笑) 別にお医者さんの専売特許じゃありませんよ、ガイドもどんどんやりましょう。

 ホントは「コンセント」って「同意」って意味ですから、決定権を与えるのはちょっと違うかもしれませんが、ま、細かいことは気にしないことにしましょう。



■ ツアー中 - ワガママなお客様 ■

 言うことをきかないお客様、ワガママなお客様って、よくいらっしゃいます。
 単なる成金ってこともなきにしもあらずですが、アウトドアツアーの場合はたいていは自信過剰な人です。カヤックツアーの場合は「自称カヤッカー」、もっとハッキリ言っちゃえば、自分を上級者と勘違いしている初~中級者です。

 で、こういうお客様をあしらうのに一番いい方法は、アシスタントにしてしまうことです。
 もちろん、本当に責任のある仕事は任せちゃダメですよ。ガイドの業務責任放棄になりますから、許されません。そうじゃなくて、「彼の自尊心をくすぐる」程度の軽い仕事を与えたふりをするんです。

 たとえば、ワガママなAさんにこっそり、
 「ねぇAさん、今日はBさん、Cさんのお二人がとっても非力で、僕一人じゃちょっと目が届かないんですよ。あなたの腕を見込んでお願いしたいんですけど、Bさんの近くにいて目を配ってていただけませんか?」
ってな具合に。

 もちろん、本当にBさんを彼に任せるわけじゃないですよ。Bさんはもちろん、当のAさんの挙動にも、こっちで目を光らせます。下手にAさんが張り切ると、かえって危険だったり、Bさんにとって鬱陶しい教えたがり屋になったりすることもありますから、そういうときはすかさず助け船を出さなきゃいけませんし。ですからハッキリ言えば、むしろ仕事は増えます、ハイ(笑)
 でもこの一言で、少なくともAさんはずいぶんと協力的になるもんなんです。

 他にも、
 「ここから200mほどは、水面下に隠れ岩があるかもしれません。ひとかたまりで注意して進みますよ。
 僕は万一のために後から見守ります。Aさん、先頭でルートファインディングをお願いできますか?」
という手は、よく使ってました。

 もちろん、これだって本当に難しいとこではやりませんよ。そういうときは僕が先頭。
 でも、難しそうに見えるけど、実は水面すれすれの隠れ岩なんかなくって、神経質なルートファインディングの必要がない場所は、こういうテクニックを使うのに絶好だったりするんですね。

 こうやってちょっとずつくすぐっていると、最初は「何でこんな初心者といっしょに堅苦しく漕がなきゃいけないんだ」と不機嫌でワガママだったAさんも、途中からうって変わって協力的でニコニコの扱いやすいお客様になることが少なくありません。
 ま、中にはこういうのが通用しない本格的なヘソ曲がりもいることはいますけどねぇ、でも僕の経験上、日本人にはそこまで難しいお客様はほとんどいないと思います。

 もちろんAさんだけひいきにしてたら別の問題が起こりますから、他のお客様にも別の形でしっかりカスタマーケアをしなきゃいけないのは言うまでもありません。
 また先ほども申し上げたように、Aさんに仕事をお願いすると、逆に彼がはりきって別の問題を起こしたりもしますから、むしろ仕事が増えることも珍しくありません。
 ただ総合的なグループマネジメントは、ずっとやりやすくなることが多いようです。つまり安全性も高まるというわけです。その分がんばってカスタマーケアに走り回りましょう。



■ ってなわけで ■

 こういうのって、人によってそれぞれあうあわないがありますから、他人のやり方がそのまま使えるとは限りませんが、ご参考になれば幸いです。
 ホントはもっともっとたくさん同僚から盗んだので、全部ご紹介したいのは山々なんですが、自分が採用しなかった手法はほとんど忘れちゃいました。スミマセン。
 こういう手もあるよ、ってな情報を編集部までお寄せいただけたりなんかしちゃったりすると、ホントにありがたいです。



■ 今回のまとめ ■

  1. 会った瞬間に信頼感を失わないように気をつけましょう。
  2. リラックスした接客態度と厳しい安全管理姿勢の落差を、きちんと表現しましょう。
  3. ガイドがインフォームド・コンセントをやってもバチはあたりません。
  4. お客様に選択肢を与えるのも、良いアイディアです。
  5. 難しいお客様は、上手におだてると扱いやすくなります。
  6. リーダーシップは10%、フォロワーシップは90%だそうです(オマケ参照)。
  7. 研究員リュウは本当はリーダーシップが弱点なので、長期のキャンプツアーよりも、短期決戦のワンデイツアーの方が得意です。


■ 次回予告&宿題 ■

 次回はまた危機管理に戻りまして前回の続き、対処マニュアルをとりあげてみようと思います。
 マニュアルといえば、vol.24vol.26では、予防マニュアルをとりあげました。そこで宿題。予防マニュアルと対処マニュアルの決定的な違いはなんでしょう? 回答例を編集部までお寄せいただけると、泣いて喜びます。研究にご協力を!



■ オマケ ■

 今回はいつもと逆に、本文がカジュアルな実例、オマケが理屈、という変則パターン。

 この動画をご覧ください。日本語字幕も選べます。



 ちなみに参照元へのリンクはこちら↓

 ◎TED「デレク・シヴァーズ 『社会運動はどうやって起こすか』」

 「最初のフォロワーは、実はリーダーシップの一形態」というのは、なるほどです。目からウロコが落ちました。特に「最初のフォロワーの存在が一人のバカをリーダーへと変える」なんて、大変な名言ですよね。

 このフォロワーシップという概念、面白いのでもうちょっと調べてみました。

 ◎日経ビジネスオンライン「菅降ろしでうごめく永田町の"ダメ"フォロワーたち」

「織運営においてリーダーの及ぼす影響力は10%程度で、残りの90%は、部下であるフォロワーの人々の力が左右する」(米カーネギーメロン大学ロバート・ケリー教授)なんて聞くと、「なるほど、だから僕みたいなヤツにでも、なんとかなったのか」と納得。

 もう一つ。

 ◎日経ビジネスオンライン「菅首相の"ドン引き発言"で考えるリーダーの品格」

 上と同じ連載の記事ですが、こちらにはリーダーの責任が書いてあります。
「リーダーとは何かが起こった時、何かを決断しなければならない時、部下を引っ張っていかなくてはいけない時、"ここぞ!"という場面でのみ、自らの存在を前面に押し出すもので、部下がしっかり仕事をしている時には、陰から部下を見守るものだ」

 僕らアウトドアガイドも、極論すれば「ヤバイとき」にグループをまとめて安全確保するのがリーダーシップの目的なんですよね。
 つまり、「有事にきちんとまとめられる」ということを主眼に、平時から準備しておくのが正しいグループマネジメントだってことですね。平時にガチガチにグループを締めあげる必要なんて、まったくないわけです。

 こうやって三つの資料をながめると、アウトドアツアーでも「90%のフォロワーシップを引き出すこと」の大切さと有効性は、よく理解できます。
 「難しいお客様は助手に」っていう手法も、フォロワーシップ理論を知れば納得がいきます。実はこの手法は同僚から盗んだんじゃなくて、僕のオリジナル技なんですが、我ながらなかなかいい手法を編み出してたようです。誰もほめてくれないので、とりあえず自画自賛してみました(とはいえ、ある程度のベテランなら思いつく手法でしょうけどねぇ)。

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 他の方法も、あらためて見なおしてみると、「リーダーの権力を強める手法」というよりは「フォロワーシップを引き出す手法」ばかりですね。
 フォロワーシップを引き出す手法ってのは顧客に不快感を与えにくいので、カスタマーケア面でも有利に働くのも、見逃せないポイントです。

 やっぱりエイベルタズマン国立公園には、いいノウハウがゴロゴロと転がっていたようです。世界最大規模の商業シーカヤックフィールドはダテじゃないってことですね。

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