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江戸時代から?日本の女性の日焼け対策と美白の歴史

2018年05月18日

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日本では、昔から「色白は七難隠す」という言葉がありますが、いつごろから日焼け対策がはじまったのでしょう?
まずは、日焼けの原因である紫外線の発見から探ってみましょう。

紫外線は、その名のとおり、紫色の光線の外側にある光線で、目には見えません。
私たちが目で見ることができる光は、ご存知のとおり可視光線。
可視光線は、1666年、万有引力を発見した.ニュートンが、太陽光をプリズムに通すと7色の光に分かれることを発見しました。可視光線の中で一番波長が長いのが赤色、短いのが紫色です。
その次の発見は赤外線でした。
1800年にイギリスのハーシェルが、太陽光を分解し、赤、緑、紫の光のところに温度計を置いて測定しました。同じ条件下で、紫の部分の温度が約2℃上昇したのに対し、緑では約3.3℃、赤では6.9℃上昇しました。その後に、赤い光の外側にも温度計を置いて測定したところ、明確な温度上昇が確認できたため、目には見えないけれど、熱を伝える光が来ていることが発見されました。
ハーシェルは、紫の光の外側にも温度計を置いて測定しますが、室温との差が見られませんでした。そのため、紫外線は発見できなかったのです。
紫外線の発見は、その翌年1801年。
ドイツの医師リッターが、紫の光より外側の見えない光を探しはじめます。そして、光に反応する塩化銀を塗った紙を使用して、紫外線を発見しました。

1800年といえば、日本では江戸時代後期。アメリカ、ロシア、イギリスなどの外国船が日本に来航しはじめた時代です。
日本では、「色白は…」の言葉にあるように、古来から白い肌への憧れがあったようです。その方法は、白粉(おしろい)を塗って白くみせることでした。室町時代には社寺仏閣の書画にすでに白粉を塗っている女性が描かれるようになっていたそう。

時代はくだり、江戸時代中期には、江戸の文化が花開き、屋外でのレジャーも盛んになります。江戸の人々は、お花見や江戸周辺へのお出かけ、花火見物などを楽しむようになりました。
そんなとき、武家や公家といった上流階級の女性や遊女・花魁(おいらん)は、日焼け対策に、日傘をさしていました。また、文化10年(1813)に出版された「都風俗化粧伝」には、10種以上の美白方法が記載されており、当時の女性も日焼けや美白に興味があったことが分かります。
この頃になると、庶民も白粉を愛用していて、お店で購入していました。白粉の種類は主に軽粉(けいふん)と鉛白(えんぱく)。軽扮は塩化水銀が原料で、鉛白はその名の通り鉛が原料。鉛白は、肌のつきがよく、人気だったそうですが、後々には、慢性鉛中毒の健康被害が問題になりました。

「日焼け」という言葉が認識されたのは、明治時代になってからです。
明治時代の絵や写真には、日傘を差した女性が見られます。明治36年(1963)出版の美容書「美顔法」という本には、日焼け後のケアの方法が紹介されています。たとえば、キュウリを浸した牛乳で洗顔する、氷砂糖を溶かしたぬるま湯で洗顔するなど。
また、文明開花とともに西洋の日焼け対策の情報も入ってきました。
明治38年(1904)に発行された「男女必携美人法」という美容書には、日焼けを防ぐ方法として、レモン液で丁寧に肌をこすり清水で洗うこと、お湯や石鹸を使わないことと記されています(現代の美容から見ると肌への影響が心配ですが)。
明治時代に西洋文化を積極的に取り入れて、日焼け対策や美白にチャレンジしていた女性たちが目に浮かびますね。

小林清親 「墨田堤の花見」 (1876)

小林清親 「墨田堤の花見」 (1876)



大正時代に、1923年には、大手企業から日焼け止めのクリームが発売されます。これも西洋化により、日本でも海水浴を楽しむ文化が浸透したことがきっかけでした。太陽の下でも白い肌を保ちたいという女性の願いを叶えるべく、8年の年月を書けて研究した商品でした。

UV帽子の先駆けといえば、やはり麦わら帽子でしょうか。
明治4年(1871)に東京府で大森村の河田谷五郎さんという人が外国人の帽子を手本に作ったのが始まりとされています。素材は、その名の通り、麦を刈ったあとの麦わら。その麦わらを平たくつぶし真田紐のように編んだ「麦稈真田(ばっかんさなだ)」というものが使われます。
麦わら帽子の紫外線防止効果のほどは正確には分かりませんが、食料として麦を育て、刈り取り、その麦わらで帽子を作ったり、かごを編んだり、最後まで素材を大切にした日本人の暮らしの知恵が感じられます。

現在は、さまざまな紫外線対策の商品があります。
UVクリーム、化粧品、帽子、日傘、手袋…長年の日焼け対策や美白に対する女性の願いを叶えるために、また、屋外で活動する人の紫外線の影響を防ごうと、さまざまな分野での研究開発がおこなわれた成果です。

FIELDVENTURE UVネックガードも、屋外で活動する皆さんを紫外線から守りたいという思いから、企画開発しています!

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参考サイト
ウイリアム・ハーシェルと赤外線の発見
http://www.sci-museum.jp/files/pdf/study/universe/2014/07/201407_12-13.pdf
ウィキペディア 紫外線
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%AB%E5%A4%96%E7%B7%9A
資生堂
http://anessa.shiseido.co.jp/shigaisen/history/
ポーラ文化研究所
http://www.po-holdings.co.jp/csr/culture/bunken/topics/4.html
美容文化研究所
http://www.cosme.net/html/ad_spc/bunka/03.html
ウィキペディア 麦わら帽子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%A6%E3%82%8F%E3%82%89%E5%B8%BD%E5%AD%90

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※UFPとは:Ultraviolet Protection Factorの略
世界でもっとも紫外線対策の歴史があるオーストラリア/ニュージーランドで定められた紫外線カットの評価基準のこと。素肌のまま20分程度で肌が赤くなる紫外線量を想定した場合、UPF45+は45倍の約15時間は日焼けを防ぐ効果があります。

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