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家造り日記e4版 - 砂場を作ろう

文&写真:リュウ・タカハシ
2009年12月23日

 クリスマスが近づいてくる足音ほど、小さな子を持つ親をおびえさせるモノはありません。日増しに高まる子供のテンションって、万国共通の恐怖ですよね。

 その上ニュージーランド(NZ)では、クリスマスって夏休みのはじまりなんですよ。学年の変わり目で宿題もありませんから、子供たちの開放感と期待感は半端ではありません。要するにまさに盆暮れ正月がいっしょに来るわけで、プレッシャーは日本の比じゃないです。

 う~むむむ、どうしよう......。

 ある日妻が「近所のお店の庭の砂場で、姉弟三人すっごく仲良く遊びまくってたよ」と。
 よしそれだ!

 すぐに造園材料店に砂を物色しに行った妻は、直径1m超の巨大古タイヤを発見。それに砂をいれて一丁上がりってのはどうだろうというのが彼女のアイディアです。
 ところがしばらくしていっしょに行ってみると、もう売り切れ。残念。

craft001_coffin01.jpg

 じゃ、家を造った残りの木っ端で枠を組もうかな、むしろ問題は設置場所だ、などと思案つつ庭をウロウロしてたら、伸び放題の雑草に埋もれて忘れ去られていた「棺桶」を見つけました。
 そうか、こいつを使う手があった!

 これは家を建ててるときに、NZ$200で売ってるのを見つけた大工が「安い!」と大騒ぎするのにつられてついつい買っちゃった檜風呂、じゃなかった、古井戸、でもありません、ホントはプランター。ところがちょっとした台所カウンター並みの図体(縦175×横75×高さ80cm)なのでなかなか使い道が見つからず、変なあだ名をつけられて草の海に沈むままになってた可哀想なヤツです。

 あらためて見ると砂場にピッタリの大きさ。とはいえ80cmは深すぎるので、上から五分の二を使うことにしました。久々に発見されたとたんスライスされちまうんですからますますフビンなヤツですが、こういうリサイクルはなかなか気分の良いもんです。

craft002_coffin02.jpg

 が、しかし......。
 電動工具を使おうにもコードが届きません。届くところに運ぼうと思っても、妻と二人じゃ無理。でも長いコードを買ってくるのもシャク。
 クッソォ、久しぶりに手で切ることになるのか。

 またまたところが......。
 NZに来てすぐに買った11年モノのノコギリ、家を建てるときに使いたおし、材を釘ごと無理矢理切ったりもしたので(これがその作業)、刃がボロボロ。フォーバイフォー材一本切るのに10分もかかっていきなり腕はパンパン、古傷の手首もズキズキ。こりゃいかん。

 せっかく延長コードをガマンして手作業してるのに、結局ノコギリを新調する羽目に。なんだかなぁ。
 大枚NZ$10(今のレートで約650円)はたいて、前のと同じブランド(スウェーデン製)の小振りなのを買いました。今は電動工具もいろいろ持ってるので、刃長一尺半で十分。

 新品はさすがに切れるねぇ、嬉しくなっちまぅじゃねぇか、えぇ、どうでぇこの切り口の鮮やかなこと、ほら見ねぇトッツァンよぉ、って思わずエセ江戸ッ子になっちまいました。調子に乗って4倍速、労力半分で残りの三つの角を一気に切断。長辺の真ん中にあるフォーバイフォー材は、横にドリルで穴を開けてからジグソーの細い刃先を突っ込んでセコセコと切らなきゃいけないのでちょっと面倒でしたが、これもそう大変なことにならずにすみました。
craft003_sliced.jpg てっぺんの木枠のゆがみ修正や材の固定、補強などの細かい作業も含めて、合計一時間半ほどでスライス完了。

 元プランターですからもちろん防腐加工済みですが、切り口を地面に直置きするのは不安だったので、逆さにして地面に触れるとこだけポリウレタン塗料を二度ほど塗りつけました。全体に塗るのは面倒だなんて、口が裂けてもいえません。

craft004_site.jpg

 次は設置場所の草刈り。迷ったあげく、家の北東の角の塀際に置くことにしました。ダメだったら、また動かせばいいんだし。

 ちなみに北東と聞いて、日当たりの悪い鬼門を思い浮かべた人も少なくないでしょうが、南半球では北が日当たりの良い側です。

 あれ? っつぅことは、南半球の鬼門は南東なのかな? こっちの風水ってどうなってるんだろう? 一回調べてみなきゃいけません。

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 それはともかく、雑草よけのシート(こっちではウィードマットと呼びます)を敷いてその上に棺桶2/5を設置。
 棺桶2/5の内側と底には、家を建てるときに仮屋根として使った超厚手の基礎用ビニールを貼ってカッターナイフの刃先で無数の水抜き穴をあけました。これもリサイクル。

craft006_sand.jpg

 さて、いよいよ砂の入手です。工事用機材レンタル屋から半日NZ$15.50也(今のレートで約1,000円)で借りたトレーラーを愛車の後につないで造園材料店へ。小型ブルドーザーひとすくいがNZ$25(今のレートで約1,600円)。安いのぉ。

 ところで今まで長大なカヤックトレーラーばかり運転してたもんで、こんな可愛らしいトレーラーは超楽勝じゃい、となめてかかったら大間違いのトントンチキ。小さなトレーラーって、ワンボックスカーの運転席からは見えないんですね。直進してるときはミラーにも映りません。おかげてバックにえらく苦労して、カヤックガイド仲間にはとても見せられないような醜態を演じてしまいました......。なめてはいけません。勉強になりました。

craft007_dump.jpg

 さてさて、ここからが力仕事です。残念ながら庭木がじゃまでトレーラーを砂場に横づけできないので、15mばかり離れたとこからネコグルマで往復。そもそもこっちのネコグルマって日本のよりはるかに立派でやたら重いんですが、砂を満載にすると星飛雄馬仕様といった趣。
 でもトーチャンは泣き言を言ってはいけないのです。黙ってキリキリ働けぇ、キリキリ!
 20分ほどでいっぱいになりました。腰が壊れる前に終わってめでたしめでたし。砂も少し余るくらいの量で、もう一度買いに行かなきゃいけない羽目にならずにすみました。

craft009_kids01.jpg

 よっしゃぁ良いぞぉ、ガキどもぉ、そらぁ遊べ遊べぇ。

 決して広くないので、押し合いへし合いもめながら遊んでますが、まぁ良いでしょう。っつーか、一番上のお姉ちゃんは、中に入らなくても良いんじゃないかと思うのは僕だけでしょうか???

 これで完成かって? いえいえとんでもない。NZの紫外線量は日本の数倍です。今が最強の季節で、日本では相当な高山じゃないとこんな強烈な紫外線は経験できないレベルです。さすが皮膚ガン大国。日よけが必要です。

craft011_sail.jpg

 さっそく一辺3.6mの正三角形タープを買ってきました。あまり美しい張り方じゃないですが、まぁとりあえず当座はこんなもんでOKかな、と。そのうちまたちゃんとした張り方を考え直します。
 ちなみにこの写真では長男に直射日光が当たってますが、これは夕方の西日ですから問題なし。真っ昼間の強烈な日差しは、ちゃんと防げてますから大丈夫。

 というわけで、これでひとまず完成。何日かに分けて作業したんですが、合計の所要時間は半日強といいますか、一日弱といいますか。そんなもんですね。

 かかった代金は、



品 目 NZ$
棺桶の2/5  80.00   5,200
ウィードマット  20.00   1,300
貸しトレーラー  15.50   1,000
25.00   1,600
タープ 60.00   3,900
合 計  200.50   13,000
(レートは執筆時のもの)


craft010_kids02.jpg

 とはいえ棺桶は二年以上前に買ったモノですから、今回の実際の出費はNZ$120.50(8,000円弱)です。思った以上に安くついてビックリ。
 ちなみにノコギリは、今後も使う工具ですから計算に入れてません。

 今後のバージョンアップ予定ですが、妻はまわりに溝を掘ってポンプで水が循環するようにするのはどうかといってます。なるほど、それも一興。でも来夏向けのプロジェクトになるかなぁ。
 あと、角っこでさっそく妻は脚をすりむいたそうなので、角をまるめるとか、柔らかいものをとりつけるとかしなきゃいけなさそうです。

 残った棺桶の下3/5は、どうやらコンポスト箱になりそうな気配です。使い道がきまって良かった良かった。

 さてさて、今年の僕の投稿はこれが最後です。
 本年はお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

 Merry Christmas & Happy New Year!

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