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コンパクトストーブ・ランタン

文・写真:内田一成

ソロキャンピングは「軽量コンパクト」がポイント

Snow Peak 「ギガパワーストーブ"地"」、「ギガパワーランタン"天"オート」

ストーブとランタン

 キャンピングの装備のなかでも、ストーブとランタンはもっとも悩むところ。今までいったいどれだけのストーブとランタンを様々なシチュエーションに合わせて、あれやこれやと使い分け、あれでもないこれでもないととっかえひっかえしてきたことか......。

 登山やトレッキングでは、「軽量」「コンパクト」が装備を選ぶ上でのファーストプライオリティとなるのは当たり前だが、例えば、バイク(自転車)やオートバイツーリングでも、極力装備は軽量・コンパクトにまとめたほうが機動力が増して、旅が快適になり、行動半径もそれだけ拡大する。

 今回は、近年、アメリカのアウトドアシーンで高い評価を受け、その評判が日本にフィードバックされたスノーピークのコンパクトストーブ・ランタン「ギガパワーストーブ"地"」と「ギガパワーランタン"天" オート」を実地に試す機会を得た。

 ストーブとランタン本体をあわせても片手に収まるほどで、これに110g容量の小型カートリッジを二つ合わせても、トータルで435gと、ビールの500ml缶一つよりも軽量に収まってしまう(ストーブの重量88g、ランタン135g、カートリッジ110g×2、トータル435g)。これなら、ザックに入れてもたいして苦にならない。

ガスカートリッジタイプキャンピングストーブ

 周知のようにキャンピングストーブは大別すると、こうしたガスカートリッジタイプのものとガソリンを使用するものとがある(ランタンもガソリンを燃料とするものがあるが、それはオートキャンプ用の大型のもので、ザックに入れて持ち運ぶものとは用途が異なる)。

 ぼくは、登山やツーリングで期間が長期になる場合は、ガソリンストーブを使用するが、3,4日程度の行程であれば、こうしたガスカートリッジタイプを選ぶ。ガスカートリッジタイプのストーブやランタンは、何より使用法が簡単なのが魅力だ。

 このギガパワーシリーズも、ランタンのほうは着火装置がついてるので、本体をカートリッジにねじ込んで、バルブを開け、着火ボタンを押せばOK。ストーブもバルブを開いてライターで火をつけるだけで、ガソリンストーブのようにポンピングやプレヒートといった「儀式」はまったく必要ない。

ストーブとランタン  ストーブとランタン
**左がストーブ、右がランタン。100円ライターと比較してみると、そのコンパクトさがよくわかる**

パッケージ  パッケージ
**ジャストサイズのパッケージに収納されていて、持ち運びにも気を遣わずに済む**

 ストーブの場合、かつては大きい火力を得ようとすれば、バナーの口径を大きくして熱量を上げるという方法がとられていたが、最近は炎を中心部に集約してそれをより強力に立ち上げることで、カロリーを高めると同時に熱効率を高めるシステムになっている。「ギガパワーストーブ"地"」はバーナー部もコンパクトだが、着火すると勢いよく立ち上がる炎にびっくりさせられるほどだ。

 ゴトクはいたってシンプルで、風除けはないが、炎を上に吹き上げるこのバーナーのおかげで、強風下でも調理可能となっている。ちなみに、火力は2,500kcal/hで1Lの水を約3分で沸騰させる実力を持っている。110gの小型カートリッジでは、最大火力で約30分使えるので、単純計算すれば10Lの水を沸かすことが出来る(もちろん、気象条件等によって変動する)。簡単な料理なら、2,3食は作れてしまう。

バーナー バーナー

バーナー
**一見、頼りなさそうなバーナーだが、着火すると勇ましい炎を吹き上げる。風除けがなくても熱効率はたいして悪くはならない。ゴトクはシンプルなバタフライスタイルで収納。バーナーやジェネレーターの精度が非常に高く、シンプル故にしっかりしている**

 ランタンも同様に、非常に燃焼効率のいいバーナーを使い、安定した明かりを作り出してくれる。今回、グローブ(火屋)はオーソドックスなクリアガラス製のものにしたが、上半分が曇りガラスになっていてテーブルトップに置いた際に眩しくないフロストグローブや外側から衝撃が加わってもガラスグローブのように破損したりしないメッシュタイプグローブなども用意されている。

 バイク・オートバイツーリングでは、とくにオフロードなどを走るときはパッキングした荷物に強い衝撃が加わりやすいので、メッシュグローブがお勧めだが、個人的には、気を遣ってパッキングしているせいか、走行ショックが原因でガラスグローブを破損したことはない。

 ランタンの場合、むしろ気を遣うべきはマントル(燃焼繊維)のほうで、これは一度使うと非常にもろくなり、簡単に粉になってしまうので、必ず予備のマントルを用意していききたい。

ランタン  ランタン

ランタン
**荷物を極限まで軽量化するなら、キャンドルランタンやヘッドランプをランタン代わりにするといった方法もあるが、やはり、マントルを燃やす本格的なランタンの明かりにはかなわない。孤独なソロキャンプでは、この明かりがほっと和ませてくれる。ランタンもアルミやブラスの削り出しパーツを使用して、非常に信頼性が高い**

フロストグローブ  メッシュグローブ  予備のマントル
**左はフロストグローブ。真ん中はメッシュグローブ。そして忘れてならない予備のマントル**

 今回ご紹介したコンパクトストーブとランタンは、ソロキャンプの際に非常に重宝するのはもちろん、オートキャンプなどでもサブストーブやサブランタンとして活躍してくれる。これからソロキャンプを始めてみようという人にはもちろん、これからオートキャンプの道具を揃えてみようという人でも、いきなり大物のツーバーナーや大型ガソリンランタンに手を出さす、まず、こういったタイプのものを手に入れて、慣れておくのも賢い選択といえる。

 ユーザーとして何よりうれしいのは、スノーピークのような国産のメーカーがしっかりした製品をリーズナブルな価格で提供してくれていることだ!!

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